Edinburghで開催されたICSB2010(2010.10.10-15)に参加

去年に引き続き、International Conference on Systems Biologyに参加しました。今年はEdinburghで開催されましたが、ポスターセッションも盛況で、会場が小さく感じられました。例年私一人で参加しておりましたが、今年は当研究室のポスドク、寺口さんと一緒に参加し、時にはそれぞれ別のセッションを見たり、同じセッションを見ては意見を交換したりと有意義に過ごせたと思います。

Plenary Lectureは軒並みhigh-throughputな方法論を用いた遺伝子のスクリーニングや、細胞内の全mRNA量、全代謝産物、全タンパク質、全タンパク質複合体(!)の定量的解析、といった大規模な実験系によって得られた情報を基にした解析が主でした。ChIP-seqのような技術は完全に陳腐化しており、技術をどのように使うかというアイデア勝負の時代に入っていることが明確でした。また、我々のラボでは遺伝子ノックアウトマウスの系を用いていますが、このような大規模スクリーニングとどう渡り合うか、ということに危機感を感じました。

今年は去年のようにimmunologyと銘打ったセッションはなかったものの、immunologyのみならず、Toll-like receptorというより特殊なキーワードが入った発表がいくつかありました。数理的なアイデアを用いた解析は、発生、神経などではよく見られますが、免疫の分野にもその波が押し寄せてきているように感じました。

一方で、Plenary Lectureの中でもactin polymerizationの研究がありましたが、生化学的な手法を駆使して様々な速度論的パラメータを決定し、モデルを打ち立てていくそのスタイルには執念のようなものを感じました。空の上を浮かぶような、大規模なデータや数学のみに頼った研究だけでも駄目だ、と諭されているような気分になりました。

当たり前のことですが、数学や物理のアイデアを取り入れつつ、大規模なデータ解析を行ない、かつやはり我々は生物を扱う限り、その物質的側面を忘れるべきではないということでしょう。去年と同様、どう免疫をsystemとして解析し、表現するかということを考えさせられました。しかし、今年は去年と違いIFReCはバイオインフォマティクスや物理学のできる共同研究者が増え、いくつか具体的なアイデアも得ることができ、これから先の楽しみが増えたと感じながら帰途につきました。

文章:熊谷

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