今回、スペイン バルセロナで開かれました『macrophage and inflammation conference』に行って来ました。

学会の名の通りマクロファージの話ばかりの学会で、特にM2マクロファージの内容がメインに話される予定でした。 現在、私もマクロファージに興味を持って研究を行っていることもあり、7月頃に審良先生からこの学会を推薦されて、参加させて頂きました。初めて単身で行く海外ということもあり緊張と不安な気持ちもありましたが、先生からこの学会のお話を頂いた際に、『一人で海外の学会に行って、様々な考えを持った研究者と知り合いになり、彼らが考えていることに直に触れる事も大切』と言われていたので、これも自分を成長させる機会だと思い、楽しみでもありました。

学会会場は、バルセロナの中心部に1700年代から建っている歴史的な病院が改装された建物で行われました。いざ発表が始まり、世界のトップクラスの研究者の現在考えている内容に触れて、非常に刺激的なデータ、あっと驚くような意外なデータを多々聞く事ができて、自分の知識の乏しさを改めて実感しました。しかし、自分のポスターの前には今までに無いくらいの人が集まってくれて、様々な質問を受けました。そんな中、M2マクロファージの研究における著名な先生方であるDr. Albert MantovaniやDr. Siamon Gordonらも私のポスターの前にいらしてくれて話をしました。今まで何度も何度も彼らの論文を読んでいたのですが、そんな尊敬するAlbert氏が、私の首からさがっているネームプレートを見るやいなや『jumonji boy! 』と言って笑顔で握手を求めてくれた事が嬉しかったです。

発表の合間の休憩時間にいすに座ってノートを纏めていると、今回論文が通った雑誌のeditorにも声をかけられ、その後一緒にお昼を食べて、今自分の興味を持っている研究について尋ねられたり、それ以外では日本の漫画の事や美味しい饂飩のお店の話をしたりして盛り上がりました。

非常に刺激的な5日間で、今まで学会は受身になって発表を聞いていることが多かったのですが、今回は特に自発的に参加できました。そして、この学会を通して同じ分野で研究を行っている仲間が世界中にできて、学会の参加を決めた当初に審良先生から戴いた言葉の大切さも実感できました。これからもこの貴重な知識、研究に対する物の考え方や人と人との繋がりを普段の研究に活かしていきたいと思います。

文章 佐藤荘



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IFReCと中国免疫学会(Chinese Society for Immunology; CSI)の合同シンポジウムに参加してきました。当研究室からは、審良教授と竹内准教授、そして河合の3名が参加しました。上海の隣の杭州にある西湖という風光明媚な湖沿いの宿泊施設で開催されました。50名ほどの小規模なシンポジウムでしたが、宿泊も食事も皆同じの合宿形式だったこともあり、両国参加者同士の交流が深まりたいへん有意義な会でした。

詳しくはコチラをご覧下さい。

文章:河合

去年に引き続き、International Conference on Systems Biologyに参加しました。今年はEdinburghで開催されましたが、ポスターセッションも盛況で、会場が小さく感じられました。例年私一人で参加しておりましたが、今年は当研究室のポスドク、寺口さんと一緒に参加し、時にはそれぞれ別のセッションを見たり、同じセッションを見ては意見を交換したりと有意義に過ごせたと思います。

Plenary Lectureは軒並みhigh-throughputな方法論を用いた遺伝子のスクリーニングや、細胞内の全mRNA量、全代謝産物、全タンパク質、全タンパク質複合体(!)の定量的解析、といった大規模な実験系によって得られた情報を基にした解析が主でした。ChIP-seqのような技術は完全に陳腐化しており、技術をどのように使うかというアイデア勝負の時代に入っていることが明確でした。また、我々のラボでは遺伝子ノックアウトマウスの系を用いていますが、このような大規模スクリーニングとどう渡り合うか、ということに危機感を感じました。

今年は去年のようにimmunologyと銘打ったセッションはなかったものの、immunologyのみならず、Toll-like receptorというより特殊なキーワードが入った発表がいくつかありました。数理的なアイデアを用いた解析は、発生、神経などではよく見られますが、免疫の分野にもその波が押し寄せてきているように感じました。

一方で、Plenary Lectureの中でもactin polymerizationの研究がありましたが、生化学的な手法を駆使して様々な速度論的パラメータを決定し、モデルを打ち立てていくそのスタイルには執念のようなものを感じました。空の上を浮かぶような、大規模なデータや数学のみに頼った研究だけでも駄目だ、と諭されているような気分になりました。

当たり前のことですが、数学や物理のアイデアを取り入れつつ、大規模なデータ解析を行ない、かつやはり我々は生物を扱う限り、その物質的側面を忘れるべきではないということでしょう。去年と同様、どう免疫をsystemとして解析し、表現するかということを考えさせられました。しかし、今年は去年と違いIFReCはバイオインフォマティクスや物理学のできる共同研究者が増え、いくつか具体的なアイデアも得ることができ、これから先の楽しみが増えたと感じながら帰途につきました。

文章:熊谷

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